仕事で京都に来ています。あべです。
最近やたらと京都に縁がありまして、
この夏から何回か来ています。
色々なホテルに泊まることになるのですが、
今回滞在しているホテルはなんだかとてもいい感じです。
こちらなんですが↓
「ホテルアンテルーム京都」というところです。
ご覧の通り、とてもアートな感じです。
そう聞くと、どうにも薄っぺらな響きがすると思います。
かくいう私も実際に到着してみるまでは、
「どうなんですかね」と絶妙な距離感で望んでおりました。
ところがどうでしょう。
いざ自分の目で体験したら、細かい部分にいろんなこだわりが見えて、
なんだこれいいじゃないか。
と思わせるホテルでした。
1Fのレセプションのところから1F奥までの全体に作品が様々な展示方法で飾られていまして、
「おー」とかいって眺めていくわけですけど、
何かスッキリしていてみやすいなあと思うんですね。
まず作品の近くにキャプションが無いのです。
ちょっと離れたところに冊子の形式でキャプションというか、
作家や作品の情報が提供されているスタイル。
作品だけ見られるように工夫してあります。
これはロビーだけじゃなくて部屋の中に飾ってある作品についてもそうでした。
それから、今回展示されているのが写真作品でして、
これは作家の意図なのか、キュレーターのディレクションなのかわかりませんが、
ある意味乱雑に、でも計算された形で、
印刷された作品同士が少しずつ重なり合うようにしてランダムっぽく展示されています。
写真作品が重なってしまうのってどうなんだと思いますけど、
そういった考えも古いのかもしれません。
大量の画像・図像に取り囲まれる生活を送る我々にとって写真一枚にありがたみを感じることは難しいから。
そういう展示をされていることで、展覧会は風通しの良い、漂っているような軽さを持っています。
いうまでも無いことですが、作品の展示の仕方によって作品の見え方が良くなったり陳腐になったりします。
そしてもう一歩下がってみれば、作品の展示の仕方は展覧会の見え方にも影響します。
これも当たり前だと思うかもしれませんが、
展覧会の主役は作品だと考える方もいますので、そう単純なことではありません。
展覧会を企画したり、設営したりすることは、そのまま作品を作ることとほとんど同じです。
展覧会という作品の中に、「作品」という作品が入っている、入子構造になっています。
(それが写真作品であれば、写真作品の中に別の作品が入っているように私は感じます)
その入子構造を理解している展示方法だなと思いました。
作品一つひとつをじっくり集中してみることはもちろんですし、そういう展示の仕方をしている部分もありますが、
この展示空間全体を一つの作品として見せようとしている感が、
とてもいいなと思いました。
以上です。
新中野製作所
安倍大智
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